2014年10月10日

アテイエブック

能登デザイン室は、能登の木である「アテ」を至る所に使って建てた建物です。

ということで、「アテイエ」と名付けました。

そのアテイエのことや、私達の考え方を知ってもらう様、「アテイエ」ブックを製作致しました。

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10月10日〜14日に開催しています「アテイエOPEN HOUSE」にて配布致します。また、ご希望の方には郵送も致しますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

2014年2月28日

薪ボイラー

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我が家の暖房は薪ストーブ、どうせふんだんに薪を集める必要があるならと、給湯熱源にも薪ボイラーを導入してみました。
燃焼室の上に貯湯槽があり、温められた貯湯槽の中を水道の管が通ることで熱交換が行なわれ、お湯が供給されるという仕組み。
貯湯槽は断熱材に囲まれており熱が冷めづらいので一度薪を燃やすとしばらく暖かいお湯が使えます。
薪で温めたお湯だからかは分かりませんが、お風呂もとっても暖まります。

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燃焼室に送風パイプも装備してあるので、多少生木でもガンガン燃えてくれます。
間伐材が豊富な地域ではとっても経済的で、間伐材を使用することで山の整備の一躍も担える優れもの。

欠点はといえば、火がない時にすぐにお湯がでてこないことでしょうか。
冬の寒い朝、朝食後の皿洗いを想像し、怠け心に負けてついつい小さい灯油ボイラーを並列で付けてしまいました。
結果それはそれで助かっていることではあるのですが、晩に焚いた薪ボイラーの熱が翌朝まで残っていることもあり、30度くらいのお湯がでてきたりするので本当に寒い冬日以外は灯油ボイラーを使うことはないのかなというのが実感。かなりの熱効率の良さを実感しています。

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完全燃焼なので煙も少なくて気になりません。都会では無理でしょうが・・
不満はといえば、煙突の径がø200で既製の煙突が使用できないこと、既製の煙突も使える大きさにしてしておいてくれれば、断熱二重煙突も使用できてさらに効率が良くできるのに。。

さらにここは井戸水なので、井戸から水をあげるポンプの電源だけでも自前で賄えたら、災害や停電時にもライフラインが確保できると考えているのですが、200Vの電源を確保できるだけの自家発電装置はどうしたら作れるのか、今後リサーチしてみたいと思います。

薪ボイラーを導入したことで島のひょっこり温泉に行く回数が激減したのは経済的には助かりますが、
若干さみしくもあります。


エーテーオー株式会社 ウッドボイラー





建築の構法で棟換気という考え方があります。
真夏、屋根への強い日差しによって建物が受ける熱量は半端なものではありません。
屋根断熱がされていない家の二階が蒸し風呂状態になるのは、今まで住んだ家で実際に体感済み・・
その熱をなるべく室内にいれず、屋根の棟に換気口を設けて、熱くなった空気の上昇を利用して、
屋根の上にその空気を抜いてしまおうというのが棟換気の考え方です。

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屋根の根元に注目して頂くと、太い垂木が乗っかっている桁と屋根の間に隙間が空いているのが見えると思います。
ここが外の涼しい新鮮な空気の入り口。

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内側から見てみると、特注サイズで断裁したステンレスメッシュの板が挟まっています。これはこの隙間から鳥や虫などが入って悪さをしないための予防です。
換気スペースは一尺ある太い垂木の上側1/3。

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そして、垂木下側の余った空間には遮熱シートを張り、その下に断熱材を敷き込みます。
(写真はシートを固定したところ)
つまり日射を受ける屋根と、遮熱断熱機能を持たせた屋根との二重屋根の構造。
その隙間に熱を逃がすための換気スペースを作ってあげようというものです。

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断熱材を敷き、その下に杉の羽目板を差し込んで固定していきます。
大工さんは2階担当の丸山さん。
とても丁寧な仕事で奇麗に板を納めて頂いています。

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厚さ180mmの断熱材を隙間なく屋根に敷き詰めます。
これによって夏は日射による熱を防ぎ、冬は建物内の温かい空気の熱を外に逃がしません。

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不安定な足場の上で上を向いての作業はかなり大変な仕事です。
それでも着々と内側の屋根板が張られ、奇麗に仕上げられた杉の板が並べられていきます。

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棟との納まりもピッタリ。
本実加工された羽目板を両端溝が掘られた垂木にどう納めているのか、
とても文章では説明し難いです・・
丸山さんの経験のなせる技です。

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全ての板を張り終えたところ。
中からの屋根面の眺めは余計な小屋組もなくスッキリ
垂木の太さも感じさせず真ん中の通し柱のみで屋根全体が持ち上げられていてとても軽やかな印象です。
屋根内側の仕上げはこのまま表しとなるため、余計な構造材は見せないように木組みを考えるのに苦心しました。

この屋根を二重にして熱を逃がすというダブルルーフの構造、
実はこの能登では昔からある屋根の形なのです。
主に倉の屋根によく用いられていたようで、曲の集落に残るいくつかの倉の屋根でも見ることができます。

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ちょっと季節が違いますが、その一例です。
土蔵の屋根が持ち上がり、瓦屋根と土の屋根の間に隙間が作られています。
食物を保存するための土蔵の中の温度を一定に保つためにこのような形の屋根が考えられたのでしょう。
しかし、この屋根が住宅の方に使われているのはまだ見たことがありません。
住宅には機能性よりも見た目の方が重視されていたのか、その理由は定かではありませんが、
能登の納屋のような家を目指す僕らとしては、もってこいのこの屋根構造。
ダブルルーフが想像以上に機能してくれることを期待しつつ・・



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