以前製材所で丸太から荒どりしておいた柱が、再度製材されて大工小屋にやってきました。
通し柱になる能登ヒバ6寸角の柱です。
墨付けにとりかかる棟梁。
足元の絡みは複雑なので大量の墨の線が描き込まれます。
さらに柱の角面のとり具合を打ち合わせします。
実際に6寸幅の端切れを面取りしてくれる棟梁、非常にイメージし易いです。
触ってすこし柔らかみを感じられるくらいの丸面を付けることになりました。
度々電話がかかってくる棟梁。
墨付けが終わった柱から大工さん達が加工していきます。
四角いほぞ穴を掘る機械です。ドリルでどうやって四角い角を掘ることができるのか分かりますか?
機械で荒く掘られた穴はその後長い突き鑿で平滑に仕上げます。
最後はやはり人の手です。
二階腰の梁が四方から刺さる、四方差しという仕口のほぞ穴です。
断面欠損による強度低下を防ぐために梁の方向によって刺さる高さを変えてあります。
6寸という柱の大きさのお陰で柱の真ん中に穴が貫通しても十分な強度を保っています。
ちなみに柱の角の切り欠きは二階のフローリングが差し込まれます。
こちらも40mmという厚みのあるフローリングを直に梁に打ち付けて固定することで水平剛性を高めることになり、 これによって通常の木造では角に入ることになる火打梁を省略することができました。
蟻ほぞを欠いた柱の元、通常は柱が土台に乗りますが今回は太い柱が直接地面に力を加えるようにと柱勝ちの構造です。
さらに接合部に込み栓を打つという仕口のアレンジも考えてみました。
果たしてうまく機能するか・・
こちらも大工さんの手をもう一手間煩わせる独自のディテール。
図面に描いてみたら大工さん何も言わずに作ってくれました。
さあこれでいよいよ建前の準備も完了です!