屋根工事
構想温め中。
卵です。しかもいっぱい。
基礎工事、配筋検査、コンクリート受け入れ検査
基礎工事が始まりました。
基本設計後に、およその位置で地盤調査を行ってもらった所、とっても地盤の良い土地であった為、地盤改良の必要がなく基礎工事に進むことが出来ました。
掘り方を行い、砕石を敷き捨てコンクリートを打設します。
今回はフラットベット基礎という、立ち上がった部分が全てフラットになる形態の基礎を採用しています。
この状態では、盛り上がった部分がスラブ。溝になっている部分が地中梁となる部分です。
そして配筋工事。
今回は、構造設計を地元七尾出身で横浜で構造設計事務所をされているASD構造設計さんにお願いしました。
同世代ながらも、経験豊富な方で、いろんなことに細かく対応して頂き感謝です。
無事配筋が終わった所で、瑕疵担保保険の配筋検査に担当の方がやって来ました。
能登デザイン室兼自宅が建つここ能登島は、都市計画区域外のため、確認申請が不要です。その為建設中に行われるのはこの瑕疵担保保険の検査のみ。少々緊張します。
最後に晴天続きのおかげで天気の心配をすることもなくコンクリート打設の日です。
今回お願いしたコンクリートの配合は24-15-25。
最初の24は、コンクリートの設計基準強度。この時期の温度補正をいれると+3になり、実際の強度(呼び強度)は27N/mm2です。
2番目の15(単位はcm)という数字はスランプ値。
まだ固まる前のコンクリートを筒状のものに入れて、ひっくり返して筒状の物から出した時、どれくらい沈むかを現す値です。
そして、3番目の数字は生コンに入っている骨材の最大寸法の大きさでMAX25mmのものが入っているということになります。
現場に到着した生コンを検査してくれる検査員の方。
強度は、1週間後と4週間後に出てきます。
その場で調べたのはスランプ値。14cmという値でした。
コンクリート打設は、"生"モノを扱うという事で、大人数で時間の勝負です。
型枠屋さん、ポンプ屋さん、生コン屋さん、左官屋さん、現場監督。
それぞれの役割を果たしながら、無事コンクリート打設も終了致しました。
約8日間の養生期間を経て、6/12に建て方が始まります。
遣形(やりかた)
土台梁桁材料到着
大工小屋に材料の一部が届きました。
これから少しづつ材料を大工さんが加工して家の部品にしていきます。
最近の家の建て方は材料のプレカットという方法が盛んに行なわれるようになってきています。
工場の機械がプログラムされた寸法通りに木をカットしていく方法です。
大工さんも現場に行って、すべてカットされた材料をビスやボルトなどの金物を使って組み立てていくだけ。
大工さんにとっても楽な仕事です。
しかし木という材料はプラスチックのように画一的に扱えるような材料では実はありません。
樹種や育ち方、乾燥状態によって、建てられた後もその季節によって木は呼吸し、歪み変形します。
また、木の一本一本が同じ樹種であっても木目が違い、構造的に強い方向が違い、美しい木目を見せる面が違います。
カタログに載った商品をネットで購入したらそれと同じものが次の日には確実に届くような、そんなことが当たり前になってしまった僕たちにはこのことはなかなか信じられないことだと思います。
木を使った大量生産の商品をいくつもデザインしたり、オーダーメイドで無垢の木の板を使って家具を作ったりもしてきましたが、この木が画一的に扱えないということはとにかく大問題で、分かった気になっていると常に落とし穴が待っているのです。
写真の材料、木の小口をみるとあちこちひび割れが見えますね。
木は乾燥すると割れが絶対に入り、外側にもでてきます。
しかし自然乾燥もしくはそれに近い方法で乾燥された木の強度は落ちないと言われています。(木の乾燥の話はまた今度)
この一本一本違う材を大工さんが吟味し、適材適所で家の部材として割り当てることで、昔からその土地にあった家がつくられてきました。そんな木の使い方を経験的に知る大工さんも少なくなってきてしまったというのが実情のようです。
今回お願いしている中島町の町居棟梁は昔からそんな経験を積んでいる棟梁の一人、何気なく差し金で原寸図を描きながらの打ち合せでは、僕の図面の間違いを指摘し、昔から使われてきた木組みの方法の講義さながら、非常に刺激的で勉強になります。
若手の大工さんにも是非引き継いで欲しいところです。