2013年6月30日

屋根工事

屋根は瓦と決めていました。黒瓦。

その理由は。

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この家並み。
現在事務所&自宅を建設中の能登島曲町の風景。
この、黒瓦の家並みに心引かれていました。

曲に限らず、能登の美しい里山里海の風景には必ずこの黒瓦の家があります。

年月を経て、我が家もこの風景に馴染むような家に、という思いで、この土地で建てるからには瓦しか無いと思っていました。

大勢の職人さんがきて、一気に瓦屋根を葺いて行きます。

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使用している瓦は、石川県の小松市で作られている『小松瓦』です。
小松瓦は両面釉薬が塗られ、丈夫で耐久性が高いのが特徴です。

昔は能登地方で『能登瓦』と呼ばれる瓦がたくさん生産されていたそうですが、残念ながら現在では残っていない様です。

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熱や湿気がこもらないように、棟換気も取り付けました。

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そして、鬼瓦も設置。
なるべくシンプルなものをということで、コチラになりました。
中国から伝わったお経の巻物がモチーフの"経の巻"という鬼瓦。
能登地方では割とスタンダードなものです。

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瓦工事完了しました。

太陽の光があたると、黒さが一層増してすごくキレイなんです。

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朝日と瓦屋根。
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この瓦屋根、月明かりに照らされたときの神秘的な美しさと言ったらありません。
いずれ、ご紹介出来ると良いのですが。
2013年6月 9日

構想温め中。

現在設計中の新築予定の土地。
基本設計が大分固まって来たので、敷地に建物の輪郭を印すためロープを張ってみようと言う事で出かけて来ました。

快晴!空ヒロッ!

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図面を元に、計りながら杭を打ってロープを張っていると、
突然「バタバタバタ〜」と物音。一羽のかもが逃げて行きました。
そして、居た所を見ると。

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卵です。しかもいっぱい。
もうすぐで踏んでしまう所でした。セーフ。

しかしかもさんも、このフラットな敷地のど真ん中に近いところで卵を産み落として育てているとは。
もうちょっと安全な場所はなかったのだろうか?
それとも意外と安全なんだろうか?

いずれにせよ、無事にヒナが孵ってくれる事を願っております。

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一緒にイメージを膨らましに来たお施主さん。
既に卵の存在もご存知で、心配してせっせと草を被せてあげて、卵が無事に産まれる様にと気にかけていました。

この土地に、
かものヒナ達の次に生まれる予定の新しい空間を、お楽しみに。

taguchi


基礎工事が始まりました。

基本設計後に、およその位置で地盤調査を行ってもらった所、とっても地盤の良い土地であった為、地盤改良の必要がなく基礎工事に進むことが出来ました。 

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掘り方を行い、砕石を敷き捨てコンクリートを打設します。

今回はフラットベット基礎という、立ち上がった部分が全てフラットになる形態の基礎を採用しています。

この状態では、盛り上がった部分がスラブ。溝になっている部分が地中梁となる部分です。


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そして配筋工事。


今回は、構造設計を地元七尾出身で横浜で構造設計事務所をされているASD構造設計さんにお願いしました。

同世代ながらも、経験豊富な方で、いろんなことに細かく対応して頂き感謝です。


ASD構造設計 http://www.asd-jp.com/


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無事配筋が終わった所で、瑕疵担保保険の配筋検査に担当の方がやって来ました。

能登デザイン室兼自宅が建つここ能登島は、都市計画区域外のため、確認申請が不要です。その為建設中に行われるのはこの瑕疵担保保険の検査のみ。少々緊張します。


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最後に晴天続きのおかげで天気の心配をすることもなくコンクリート打設の日です。

今回お願いしたコンクリートの配合は24-15-25。

最初の24は、コンクリートの設計基準強度。この時期の温度補正をいれると+3になり、実際の強度(呼び強度)は27N/mm2です。


2番目の15(単位はcm)という数字はスランプ値。

まだ固まる前のコンクリートを筒状のものに入れて、ひっくり返して筒状の物から出した時、どれくらい沈むかを現す値です。


そして、3番目の数字は生コンに入っている骨材の最大寸法の大きさでMAX25mmのものが入っているということになります。


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現場に到着した生コンを検査してくれる検査員の方。

強度は、1週間後と4週間後に出てきます。

その場で調べたのはスランプ値。14cmという値でした。


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コンクリート打設は、"生"モノを扱うという事で、大人数で時間の勝負です。


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型枠屋さん、ポンプ屋さん、生コン屋さん、左官屋さん、現場監督。

それぞれの役割を果たしながら、無事コンクリート打設も終了致しました。


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約8日間の養生期間を経て、6/12に建て方が始まります。


taguchi
2013年5月16日

遣形(やりかた)

大工さん達が来て、遣形(やりかた)を行いました。
遣形とは家が建つ位置、そして高さの基準を決める大事な作業です。

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まずおおよその基礎の位置からちょっと離れた所に遣形杭(やりかたぐい)を打っていきます。

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遣形杭に水平に貫を取り付けます。
水貫とも言います。昔はこの水平をだすために中央にバケツを置いてそこからホースで水を延ばし、ホースの水のレベルに合わせて水貫の高さをだしたとか。ホースがない時代はどうしていたのでしょう・・
今はレベルをだす機械を使って簡単に水平が決められます。

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そして水貫の側面に棟梁自ら、尺棒を使って柱芯の寸法を印していきます。

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柱芯に水糸を張ったところ。
ここから垂直に何ミリ降りた所に基礎の天端を合わせる、という風に基礎の正確な位置が決定されます。

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これから工事を進めて行くにあたって、すべての基準を決めるのがこの遣形。
この後の家の位置、向きの変更はできません。

水糸を張ってから家の向きを微妙に調整しました。
設計した家は建物が受ける季節の熱環境負荷を考慮して東西方向に長い形にしてあるのですが、少し北東に傾けてて祖母ヶ浦(ばがうら)の岬方向を向くようにしました。祖母ヶ浦は妻の先祖のお墓があることもありますが、夏至には太陽が岬の先の海から登ってくるのが眺められます。夏至に早起きしてそれを確かめにきたのはもう一年も前、今年の夏至にはやはり間に合いませんでした・・




2013年4月 5日

土台梁桁材料到着

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大工小屋に材料の一部が届きました。
これから少しづつ材料を大工さんが加工して家の部品にしていきます。

最近の家の建て方は材料のプレカットという方法が盛んに行なわれるようになってきています。
工場の機械がプログラムされた寸法通りに木をカットしていく方法です。
大工さんも現場に行って、すべてカットされた材料をビスやボルトなどの金物を使って組み立てていくだけ。
大工さんにとっても楽な仕事です。

しかし木という材料はプラスチックのように画一的に扱えるような材料では実はありません。
樹種や育ち方、乾燥状態によって、建てられた後もその季節によって木は呼吸し、歪み変形します。
また、木の一本一本が同じ樹種であっても木目が違い、構造的に強い方向が違い、美しい木目を見せる面が違います。
カタログに載った商品をネットで購入したらそれと同じものが次の日には確実に届くような、そんなことが当たり前になってしまった僕たちにはこのことはなかなか信じられないことだと思います。
木を使った大量生産の商品をいくつもデザインしたり、オーダーメイドで無垢の木の板を使って家具を作ったりもしてきましたが、この木が画一的に扱えないということはとにかく大問題で、分かった気になっていると常に落とし穴が待っているのです。

写真の材料、木の小口をみるとあちこちひび割れが見えますね。
木は乾燥すると割れが絶対に入り、外側にもでてきます。
しかし自然乾燥もしくはそれに近い方法で乾燥された木の強度は落ちないと言われています。(木の乾燥の話はまた今度)

この一本一本違う材を大工さんが吟味し、適材適所で家の部材として割り当てることで、昔からその土地にあった家がつくられてきました。そんな木の使い方を経験的に知る大工さんも少なくなってきてしまったというのが実情のようです。

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今回お願いしている中島町の町居棟梁は昔からそんな経験を積んでいる棟梁の一人、何気なく差し金で原寸図を描きながらの打ち合せでは、僕の図面の間違いを指摘し、昔から使われてきた木組みの方法の講義さながら、非常に刺激的で勉強になります。
若手の大工さんにも是非引き継いで欲しいところです。



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