2013年9月22日

稲刈り|バインダー

DSC_9651.jpg

今年からバインダーという稲刈りの機械が我が家にやってきました。
中能登町で米づくりをしている友人からの借りもらい品。
このバインダーというやつは稲を「刈って縛る」ところまでを自動でしてくれる、
手刈りからコンバインに移行する時期の短い合間に使われたちょっと珍しい機械です。

コンバインでは刈って即脱穀までをしてくれますが、脱穀された米は乾燥機に入れる必要があります。
その点このバインダーは刈った藁ごと縛ってくれるので、それをハザ干しして天日乾燥することができます。
コンバインで刈るよりも手間はかかりますが天日乾燥の方が美味しいお米になり、刈った藁も束ねて保存でき利用することができます。

前年まではおばあちゃん達に手伝って頂いていた稲刈りですが、今年はこのバインダーで!と意気込み自分達だけで稲刈りに臨みました。

DSC_9650.jpg

ところが、この機械の扱いが想像以上に難しい。
連日の雨で田んぼが乾いておらず、泥だらけの中の稲刈り、バインダーのタイヤが泥に沈み身動きが取れなくなってしまったのが初日。この雨と今年はよく太った籾のお陰でほとんど寝てしまった稲達が機械に絡み付き刈るのもままなりません。
泥だらけになりながら田んぼの中で悪戦苦闘していると、たまりかねた通りすがりのお年寄り達がいろいろとアドバイスをしていってくれます。

「田んぼをもっと乾かしておかなければだめだ」
「倒れた稲の正面から刈るのではなく、稲を起こしながら刈ったらどうだ」
「田んぼを廻りながら刈るのではなく、一方向に刈ってみろ」
とか、事細かに指示を頂きます。

そんなアドバイスのお陰で何とか持ち直し、徐々にバインダーを使いこなすことができるようになってきました。

DSC_9652.jpg

最初に刈った稲から最後に刈った稲との時間差はなんと4日(その間子供の運動会やら何やらもありましたが・・)。
最後の稲をハザに干し終えた時には最初の稲はかなり乾いていそうでした。
これではお米の乾燥にばらつきが出て含水率が一定にはならないかもしれません・・味にも差がでてくるだろうか。

どうせ自分達で食べるお米だしまあいいかと開き直りつつ、
この苦い経験は来年からの米づくりにも活かしていかねば・・



2013年9月12日

稲刈り 箱名の田んぼ

DSC_9099.jpg

今年は7月には雨が降らずからからに乾き水不足に悩まされた田んぼですが、
この時期は例年になく、連日雨天に見舞われて参っています。
稲刈り時期はぬかるんだ田んぼはコンバインが入りずらく、湿った稲はコンバインには大敵なので晴れの日が続くのが望ましいのです。島を車で走れば、少ない晴れの日を逃すまいと島中の農家さんががんばって稲刈りをしているのが目につきます。
それでもなんとか穂をたれて、重みで地面に倒れてしまっている稲もある我が家の田んぼです。

DSC_9460.jpg

箱名の田んぼは今年は手が回らず、藤井さんのコンバインで一緒に刈って頂くことにしました。一度機械で刈ったら後戻りできんぞと脅されましたが、来年はきっとハザ干しにしようと現時点では宣言しておこうと思います。

DSC_9464.jpg

コンバインの運転も簡単な田んぼで練習させてもらいました。 無心に稲のラインをなぞってコンバインにお米を収穫させていくのは昔のゲームパックマンのよう、コンバインに座って上から眺める棚田も長閑でなかなか気持ちがいいものです。

DSC_9462.jpg

最新のコンバインではないので、一袋ずつ収穫した米を軽トラに積み直して乾燥機に運びます。今年の収穫量は7俵(30Kgで14袋)でした。今までしていらした田んぼの持ち主の方の最高は8俵ということなので、まだまだ精進が必要です。

DSC_9461.jpg

実は一通り藤井さんの田んぼを刈った後、最後に入った我が家の田んぼでコンバインがなんと故障してしまいました。故障の原因が分からず暫く立ち往生していたところ、周りで刈っていた藤井さんの知り合いの方がいっぱい集まって来て、みんなでコンバインの分解修理が始まりました。
結果的にすぐに直る故障でないことが分かり、機械は整備工場行きとなったのですが、残っていた稲も知り合いの方の一人が馬力のあるコンバインで刈ってくださいました。困った時はよってたかって助けてくれる、互助精神溢れる島の方々に感謝です。

さて、今来ている台風が過ぎたら、いよいよえの目の田んぼの稲刈り、ハザ干しです。



2013年6月 8日

箱名の田んぼ

DSC_6685.jpg

今年からもう一枚田んぼをお借りすることになりました。
現在自宅兼事務所を建設中の曲(まがり)という集落にある、箱名という谷間の棚田の一枚です。

今まで育てていた田んぼとのコンディションの違いには驚きました。
まず土が赤土で粘土質、そして谷間なので水がとても豊富です。
畦から水が滲み出てくるので田んぼの中にもう一つ畦を作って水を制限するほど。
山水なので水が冷たく、日射量も平地に比べて少なく寒暖の差が激しいので苗の生長も遅いです。
雑草の勢いも心無しか弱い気も・・。

DSC_6681.jpg

そしてこちらの田んぼでは、手植えではなくdoppoの藤井さんに田植機で田植えをして頂きました。
田植機での田植えはやはり手植えほど丁寧には植えられないようで、田んぼの中の高低差によっても苗が植えられる深さが違ったり、本数が変わったり歯抜けがあったりします。
そんなところを後から手で植え足していきます。

DSC_6683.jpg

この環境の違いが米の味にどう影響するのか、
収穫の日が今から楽しみです。



2013年5月12日

我が家の田植え

DSC_6053.jpg

予定していた田植えの日は一日雨でした、夕方少し雨がやんだので「わく」を転がしに田んぼへ、
一通り転がし終わるとまた少し雨が降ってきました。
この「わく」を使っての田植え、転がしたばかりでは泥が水の中に舞い上がって跡がよく見えず、
時間が経って雨が降ったりすると泥が跡に沈んでこれまた消えてくるのでタイミングが難しいのです。

DSC_6113.jpg

一夜明けた次の日は快晴でした。
朝の涼しいうちから田植え開始です。
手に取る苗はたった3本。これが稲刈り時には太い株に成長します。
よく育った長い苗です。

DSC_6095.jpg

毎回手伝って頂く大家さんのおばあちゃん。水面と顔の近いこと。
指の腹でしっかりと苗を泥の中に抑えます。

DSC_6072.jpg

暫しばあちゃんと2人で黙々と稲を植える。
田植機のエンジンの音が響く田植えと違い、驚くほど静かな時間。
かと思いきや、徐々にいろいろな音が耳に入ってくるを感じます。
雀、鶯の鳴き声、まだ控えめなカエルの鳴き声、風の音、泥から足を抜いてまた一歩入れる水の音、
田植えをしながらのばあちゃんの声もよく聞こえます。
さらに、手に取る苗の感触、慣れてくると自然に苗を3本指がつかみ、水の冷たさ、泥の柔らかさ、
さまざまな感覚が時間とともに体におこってくることにも気づきます。
広い田んぼを田植機でいかに効率的に植えるかということとは別の次元の時間。

DSC_6076.jpg

こちらも毎年見る風景、ばあちゃん見習いのお二方歳の分だけリードされています。

DSC_6118.jpg

「わく」の跡にそって、縦横稲が奇麗に揃った田んぼはとても奇麗です。
しかし「わく」をわざわざ使うということはただ見た目だけのことではないはずです。
何か他の理由があったと思わざるをえず、田植えをしながらいろいろと考えておりましたが、
それに関する考察はまた今度。


密売東京 「田んぼのマス目」
http://www.mitsubai.com/tokyo/product/tk022403.html



2013年4月29日

大家さんちの田植え

DSC_5625.jpg

今年の苗サマもおばあちゃんが手をかけて無事スクスクと育ちました。
いよいよ田植え、僕は毎度大家さんのお手伝いです。

DSC_5852.jpg

苗のタワーマンション。
軽トラの備え付けた専用の荷台で苗を各田んぼまで運びます。

DSC_5824.jpg

田植機の苗が足りなくなった時に苗箱を補充するために田んぼの畦に並べていきます。
一反の田んぼに必要な苗箱は約20箱。一反は約10R、約1000平米です。
よく採れる田んぼで一反の田んぼからは16俵程採れると聞きます。
昔の一俵は60キロですが、最近では30キロの袋で一俵と数える方もいます。

DSC_5826.jpg

大家さんの田植機は5条植え。
ちなみにばあちゃん達も一人で5条植えこなします。
さすがにスピードは機械にはかないませんがそれでも相当早いです。

DSC_5855.jpg

海が見える青空の下でたんたんと苗を植えていくのはとても気持ちがいいです。

DSC_5622.jpg

それにしても機械で植えるのの早いこと!

DSC_5619.jpg

一反植えるのもあっという間です。

DSC_5610.jpg

二町歩近い田んぼも二日で植えきってしまいました。

さて今週末はいよいよ我が家の田植え。
ちなみに我が家で借りている田んぼは5畝(ごせ)弱、約450平米ほど、
それを半日かけてばあちゃんに手伝ってもらいながら皆で手植えします。



前の5件 1  2  3  4  5  6  7