電線は厄介モノにされている。
電気は必要だけど、電線の存在はいらない。
そうは言っても、真壁構造では電気配線工事の逃げ場がない。
配線を通す壁自体の厚みが薄い上に、
床と壁、壁と壁、壁と天井の間にはすべて梁や柱が露になっているからだ。
その柱や梁を縫うように電線を通していくのが電気屋の仕事。
構造上重要だったり、奇麗な梁にあまりに躊躇なくドリルで電線を通す穴をあけていくのを見た時は無性に腹が立ったが、
住宅一棟に必要な電線の量は壁を全て開けてみる機会でもなければ想像できないだろう。
材木に絡み合うように通されていく電気の通り道を見ていると、これ無しでは住宅が機能しない、重要な神経系だということが実感できる。慣れてくると穴の一つや二つ、空けて通るなら通しておいてくださいという気になってくる。
小舞の隙間を縫って繋がっていく電線。
この後壁を張る際に打たれる釘、ビスもかわす必要があるので下手なところを走ってはいられない。
天井にもダウンライト用の配線が延ばされる。
照明も器具が見える必要なことはほとんどない。
ダイニングテーブル上の天井、唯一ペンダントが吊るされる場所。
無理を言ってボードの上にちょっとした細工をして、天井を塞いでもらいました。
その効果が発揮されることを期待して。
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