現在設計中のお施主さんと一緒に輪島の鳳至木材に行ってきました。
ここに来る度に地面に積み上げられた丸太の迫力に圧倒されます。
現在の建築はできあがってしまえば柱はほとんど壁の中に隠れてしまうということも多いです。
私たちが設計する建築ではなるべく自然から伐採して来た柱の存在を感じることができる空間を作りたいと思っています。
そして製材前の丸太の姿もお施主さんに見て頂くことで、建物が地元の環境の一部からできているという意識を共有できたらと考えています。
今回のお目当ては能登ならではの材能登ヒバ、通称「アテ」。
木で虫が食い易いのは白太の部分なのですが、アテは白太が薄くほとんどが赤身、
そのため虫にも食われづらく、水にも強い、とりわけ湿気の多いこの地方にはうってつけの材なのです。
しかし良いところばかりではありません、アテは螺旋状に成長するため木目が上に行くにしたがって捩じれています。
この捻れがくせ者で、製材した木を乾燥させると捩じれてしまうのです。
そのため木を扱う職人さんからはアテは暴れると言って敬遠されているところもあるのです。
木は急激に乾燥させると変形してしまいます。 変形を最小限に抑えるために、鳳至木材では丸太のまま自然乾燥で寝かせた材を、オーバーサイズに製材してさらに寝かせ徐々に乾燥させていきます。
ゆっくりと自然乾燥させることで木の繊維を壊さずに含水率を下げることができるのです。
敷地内に見つけた小屋の外壁。
製材所ならではの材の使い方、製材でカットした耳の部分を利用して作られています。
この外壁はいつか使いたいです。
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