2011年1月21日

山中

漆器の産地山中は大島東太郎商店の商品ご飯木椀、そのシリーズに加える汁碗とぐい呑みを制作するために山中に行ってきました。
木取りから、木地の制作、漆塗り、螺鈿等の加飾まで、すべてが分業となっているのはそのあまりの行程の多さ故です。
それぞれの行程に専門の職人さんがいて、それぞれの高い技術の積み重ねによって一つの道具が完成するという事実を、頭では分かっていたのですが、実際に目の当たりにしてみると、こんな生産システムを完成させてきた日本の漆器の産地のすごさを改めて感じずにはおれませんでした。

_ND70902.jpg

_ND70893.jpg

木取りの荒取りを行う職人さん。
輪切りになった丸太から決まったサイズのお椀をどの位置で何個とることができるか、その最適な場所を瞬時に判断して位置決めをしていきます。

_ND70903.jpg

_ND70896.jpg

_ND70832.jpg

轆轤(ろくろ)を使ってお椀の形状を挽く職人さん、その形状や大きさによっても得意とするところが様々、ぐい呑みは今回小さい物を挽くのが得意な職人さんに作って頂きました。
細かい部分の形状のニュアンスは図面だけの指示では伝わりません。
職人さんの横からちょっかいを出して修正を繰り返します。

_ND70854.jpg

_ND70861.jpg

_ND70877.jpg

微妙な修正を繰り返した際にできた削り節のようなかす。
今回完成したモデルを元に量産分を何百個と同じ形に削って頂きます。
機械の型で一瞬に出来上がるプラスチックの製品とは訳が違います
この後塗装の行程に行くのですが今回はこれまで・・
完成品の発表をお楽しみに。

案内して頂いた大島東太郎商店の太郎さん、どうもありがとうございました。
(太郎さんの写真を撮るのを忘れました・・次回是非)



_ND70921.jpg

雪の中、金沢市民芸術村で行われている写真展、SNAPSに行ってきました。
デザイナーであり写真家の高橋俊充さんのイタリアと水野直樹さんのケニアでの対照的なスナップ写真です。

_ND70923.jpg

_ND70914.jpg

イタリアは現地の人が暮らす何気ない日常的な、路地裏やバールの風景なのですが、高橋さんが撮ると信じられないくらい奇麗な瞬間に思えます。僕ももっと日常的な写真を撮ってくるんだったと改めて思いました。
住んでしまうと当たり前のことになってしまう、今の能登の生活もそうなって感動を失ってしまわないように、もっと普段の何気ないけれど特別な風景や瞬間に目を向けたいと改めて思わされました。

_ND70919.jpg

_ND70920.jpg

そして水野さんのケニアにも圧倒されました。
B0にプリントされたサバンナを横断する動物の群れ、キリンやライオンの姿が迫ってきます。
ケニアの自然、野生動物の生きる姿がとにかく奇麗です。

SNAPS
明後日17日までのようですが、まだ行かれていない方は是非!



2011年1月14日

ヨシ子ばあちゃん

奥能登は松波に行ってきました。
昔ながらの米あめを作り続けている横井商店のヨシ子ばあちゃん。(御歳91才)
米あめの作り方を見せて頂きました。

松波飴の詳しい説明はこちら

_ND70616.jpg

_ND70610.jpg

飴を炊く竃のへり。
使い続けられている三和土の表情がとても奇麗でした。

_ND70649.jpg

原料は米と麦だけというシンプルさ。
ぐつぐつと煮える飴も、おばあちゃんの手もとても奇麗。

_ND70699.jpg

お話を聞きながら、米あめを作る際にできるもろみにあめを絡めたもの(昔のおばあちゃん達のおやつだったそうです。)を頂きました。
米あめのほのかな甘みがとても美味しかったです。

この米あめ、僕はのどが痛くなるとルイボスティーに溶いて飲むのが癖になっています。
是非なくならないでほしい味のひとつ。




2011年1月 9日

SergeでAVIA

年末に突然思い立って髪を切りに行きました。
中能登町のSerge(セルジュ)さんです。
床屋さんに行くようになったのはここ2、3年のこと、それまではずっと自分でバリカンで坊主にしていました。坊主はちょっとのびかけた時が一番情けないので2、3週間にいっぺんは刈っていたのですが、能登に住み着いてから何となく床屋さんに行ってみたら、あまり切らなくても気にならない切り方というのがあるらしく、餅は餅屋だなあと納得しつつ数ヶ月に一度切ってもらいに行っています。

このSergeさん、行くとなぜかいろいろとお土産をくれる。
町の自慢の豆腐、知り合いの猟師が射ったというキジ肉、鹿肉(結構料理するのに苦戦)、ノンホモ牛乳・・
毎回なにかくれてりゃ商売にならんでしょと思うのですが、先日は極めつけでした。

なぜかAVIAのバッシュ。

_ND70593.jpg

AVIA、懐かしい人には懐かしいバッシュですよね。

シャンプーをする場所を区切っている棚に何個かバッシュが置いてあるのは知っていたのですが。
よくよく見るとなぜかAVIA。
なんでここに?と聞いてみるとSergeさんは実はスニーカーのコレクターだったのでした。
AVIAといえば昔玄人好みのドレクスラーやストックトンが履いていて密かなあこがれのバッシュでした。と言っても日本ではほとんど見ることもなく通販カタログ等で見るだけのものでしたが・・ ほかにもカールマローンが履いてたL.A.ギアやポンプ等の話もでてきてシャンプーからやたらSergeさんのテンションが上がってしまったのでした。
ちなみに私も小学校から大学まで、ほとんどバスケしかしてなくて、イタリアでもバスケチームに入っていたのです(能登に来てからぱったりとやめてしまったんですけど)。高校生くらいの時はドレクスラーのダンクが一番好きだった・・

そんな話で盛り上がった挙げ句、ひとつあげるとなったのでした。
もう一つ予備があるから、というのにも驚いたのですが、バッシュを見ながら酒が飲めるというのにも驚き。ホンモノのコレクターです。
でもこれ髪のカット代より高いんじゃないでしょうか・・

_ND74320.jpg

こちらはいつももらってばかりで申し訳ないので以前作った額縁。
Sergeさんのおじいさん?が使用していたという思い出のはさみ。
もう使えないけどいつも見える場所に置いておきたいという希望だったので、簡単ですが額縁にいれて飾れるようにしてみました。

こんな物々交換的なやりとり、田舎ならではとも思い楽しませてもらっています。 バスケ好きな方Sergeさんに行ってみてはいかがでしょうか(他にもバッシュの予備があるかどうかは分かりませんが・・)。




2011年1月 3日

謹賀新年

kadomatsu.jpg

明けましておめでとうございます。

今年はなんと2011年・・
能登島での暮らしは早いもので5年目を迎えます。
他所(よそ)者が何の気無しに能登デザイン室を標榜して始めたデザイン活動ですが、
徐々に地元の方との繋がりも増え、協力させて頂ける事柄も増えつつあると実感しているこの頃です。

今年も背伸びせずに、島の暮らしを楽しみながら、
その中から発見できる魅力に目を向けていきたいと思っています。

どうぞよろしくお願いいたします。

※写真は毎年恒例年末に作る門松




前の5件 1  2