常々自分の家の田んぼで採れたお米をより美味しく食べたいと思っています。
そんな中、最近「かまどを作りたい」という相談や「かまどでごはんを炊くイベントをしよう!」というお話もいただくことがありました。
それならということで思い立ち、毎日かまどで炊いたご飯で食事を提供している七尾のいしり料理専門店、いしり亭のかまど炊き職人兼オーナーの森山外志夫さんに1日弟子入りして、炊き方やかまどの使い勝手等を教えていただきに行ってきました。
かまど炊くにもまずスタイルから!?
おしゃれな帽子にかまど炊き職人専用の前掛けがかまど焚きスタイルの外志夫さん。
石のかまどに前日から水につけたご飯を入れたお釜と焚き付け用の薪をセットします。
最初に入れる薪は細めで火つきが良さそうなものを井桁に重ねて入れておきます。
この石のかまど、昔よその家庭で使われていたものを移築してきたのだそうです。
紙に着火し、うちわで少し扇ぎながら木端に火を移していきます。
火加減は昔から言われるように「始めチョロチョロ中ぱっぱ」、釜から湯気が出始めるまではじっくりと火を焚べていくのだそうです。
始めから強火にして沸騰するまでの時間が早くなると硬めのご飯が出来上がるので、
炊きあげたいご飯のイメージによって火加減を調節するのだそうです。
湯気が出てグツグツと言い出したら強火で炊き上げます。
かまどは容器全体が高温で温められるので釜の中でご飯が対流し全体がふっくらと炊き上がります。
この時かまどの蓋の上に手を当てるとグツグツと水が沸騰する振動が伝わってきます。
しばらくグツグツさせていると徐々に音と振動が少なくなってほとんどなくなる瞬間がくるのだそうです。
この瞬間が火を引くタイミング。
これ以降に火を残せばおこげができるので、おこげをどれくらい作りたいかによって火の残し方を変えるのだそうです。
取り出した薪は火消し壷の中にいれて消し炭にすれば翌日の焚き付け用として使えます。
あとはかまどの炊き口に蓋をして熱を残し、蒸らしの時間をとります。
蒸らし終わった釜を開けた瞬間のごはん。粒の立ち方も綺麗ですが、広がるごはんの香りのよさにびっくりしました。
釜の底のご飯が水気と重さで潰れないようにご飯の天地を返し、保温器に移して保存します。
奥さんの典子さんにお願いして炊きたてで少し早いお昼の定食を作っていただきました。
この日の定食のお魚はさんま、メギスのいしりに漬けて焼いた魚はほのかな旨味がきいて、ご飯がすすむすすむ。
煮物にもお汁にもいしりを少し効かせているのだそうで、どれも一味違った美味しさです。
一番のご馳走はなんといってもこのご飯。
香りの良さとスルスル入ってしまう優しい味がなんとも言えずたくさんいただいてしまいました。
今回かまどで炊いたごはんの美味しさを知ってしまったので、これはかまどを我が家にも作るしかないだろうと決心しました。
いつかまたかまど作りのレポートも行えたらと思います。
ごはん好きの人、とりあえず七尾のいしり亭に行ってかまどで炊くごはんの違いを味わっていただくことをオススメします。
まいもん処いしり亭
http://ishiri.com/restaurant.html