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日本海に突き出した半島地域である能登には、
起伏に富んだ地形で、海と山からの豊かな自然が育んだ恵みで溢れています。

遥か昔から能登の人々は、衣・食・住すべてにおいてこの土地の自然の恵みを受け、
自然素材を活かし、絶やすことなく、自然と共存する暮らしを営んできました。

建築においては、その土地の暮らしと共に受け継がれてきた素材と技術は、
昨今の経済至上主義に押され、安価な輸入材に頼り、高度な大工技術に寄らない
戦後からの安易な家づくりの結果、植林が進められてきた国内の山は放置され、
それらを活かす技術を持った職人たちも、若い世代にその技術を伝える機会も持てず、
減少の一途を辿っています。


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しかし、ここ能登には幸いにも開発の手を付けられず、残されてきた自然と、
その自然に寄り添って生きてきた人々の暮らし、
その暮らしを支えてきた技術がまだ十分に残されています。

その素材と技術には、この土地だからこそ活かされてきた、確かな理由があります。
その素材と技術を活かした建物を造ることが、能登の文化を見直し、
今能登に暮らす私たちの生活を考えていくことにも繋がるのではないでしょうか。


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