大工さん達が来て、遣形(やりかた)を行いました。
遣形とは家が建つ位置、そして高さの基準を決める大事な作業です。
まずおおよその基礎の位置からちょっと離れた所に遣形杭(やりかたぐい)を打っていきます。
遣形杭に水平に貫を取り付けます。
水貫とも言います。昔はこの水平をだすために中央にバケツを置いてそこからホースで水を延ばし、ホースの水のレベルに合わせて水貫の高さをだしたとか。ホースがない時代はどうしていたのでしょう・・
今はレベルをだす機械を使って簡単に水平が決められます。
そして水貫の側面に棟梁自ら、尺棒を使って柱芯の寸法を印していきます。
柱芯に水糸を張ったところ。
ここから垂直に何ミリ降りた所に基礎の天端を合わせる、という風に基礎の正確な位置が決定されます。
これから工事を進めて行くにあたって、すべての基準を決めるのがこの遣形。
この後の家の位置、向きの変更はできません。
水糸を張ってから家の向きを微妙に調整しました。
設計した家は建物が受ける季節の熱環境負荷を考慮して東西方向に長い形にしてあるのですが、少し北東に傾けてて祖母ヶ浦(ばがうら)の岬方向を向くようにしました。祖母ヶ浦は妻の先祖のお墓があることもありますが、夏至には太陽が岬の先の海から登ってくるのが眺められます。夏至に早起きしてそれを確かめにきたのはもう一年も前、今年の夏至にはやはり間に合いませんでした・・